今月の臨床 産婦人科内科—治療のポイント
更年期,老年期
26.尿失禁
中沢 直子
1
,
桑原 慶紀
1
,
水野 正彦
1
Naoko Nakazawa
1
1東京大学医学部産婦人科
pp.1096-1097
発行日 1991年9月10日
Published Date 1991/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900561
- 有料閲覧
- 文献概要
人口の高齢化に伴い,尿失禁が医療上の重要課題の一つとなってきていることは言うまでもないが,まだ社会的に活躍している年代も含めた成人女性のおよそ3人に1人が失禁の経験者とされていること,さらに女性の尿失禁には分娩および婦人科手術がその要因として関与していることから,専門家のみでなくわれわれ産婦人科臨床医もこの問題に広く関心を持つべき時期にきていると考える。
治療に関しては正しい診断が必要であり,まず詳細な問診が第一だが,60分間尿失禁定量テスト(Pad test),尿流動態検査,膀胱尿道造影などによりさらに正確な診断が可能となる。表1に分類した中で産婦人科と関連が深いのは腹圧性,切迫性,溢流性尿失禁であり,前二者が9割以上,ことに腹圧性のみで70%を占める。
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.