今月の臨床 不育症—その対策のすべて
治療の実際
23.不妊・不育における子宮形成術
百瀬 和夫
1
Kazuo Momose
1
1東邦大学第1産科婦人科教室
pp.75-77
発行日 1991年1月10日
Published Date 1991/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900276
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女性内性器は発生学的に比較的複雑な経過をとるため,種々の程度の奇形を生じやすい。とくに子宮は受精卵の着床から妊娠,分娩までの保育にあずかり,生殖過程の最終段階を担う。その変形,奇形が必ずしもfertilityの重大な障害—不妊,習慣流産と直結するとはいえない。したがって不妊症では,他の不妊原因を系統的に追求,除外しなければならないし,習慣流産でも,内分泌・染色体・免疫因子などの関与が解決されつつある。
完全重複子宮:腟中隔を有しながら,2度目の妊娠で墜落分娩し,ここで初めて2個の腟入口を確認された例もあれば,僅かな弓状子宮で自然流産を反復し,外傷性子宮腔癒着症を併発,稀発・過少月経となっていた例もある。
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