薬の臨床
新しい尿中hCG検出試薬レッドプラノの検討
三宅 敏一
1
,
横山 裕司
1
,
井川 洋
1
,
斎藤 誠一郎
1
,
松崎 利也
1
,
植田 敏弘
1
,
安井 敏之
1
,
東 敬次郎
1
,
苛原 稔
1
,
青野 敏博
1
Toshikazu Miyake
1
1徳島大学医学部産科婦人科学教室
pp.939-945
発行日 1990年10月10日
Published Date 1990/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900182
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レッドプラノは2種類の抗hCGモノクローナル抗体(抗hCG—β抗体と抗hCG—αβ抗体)を用い,ラテックス凝集反応を原理とした新しい尿中hCG検出試薬である。われわれは今回その基礎的および臨床的検討を行ったので報告する。
1.感度および特異性に関する検討:測定感度は公称感度の200IU/lよりも低い100IU/lであり,100IU/l以上ではすべてに陽性を示した。特異性に関しては,LH 2,500IU/lでは交叉による陽性反応がみられたが,1,000IU/l以下では陽性反応はみられなかった。
2.異常尿による影響:glucose 4%以下,赤血球尿では1×108 cells/ml以下,pHでは4〜8,細胞浮遊尿では1×105cells/ml以下,比重では1,000〜1,030の範囲でそれぞれ正常に反応した。
3.臨床的検討:正常妊娠では妊娠4週以降ですべて陽性を示し,異常妊娠例においても鋭敏に反応した。
以上よりレッドプラノは有用な妊娠診断薬であると考えられた。
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