今月の臨床 妊娠高血圧症候群―予知・治療・予後の新知見から急変時の対応まで
治療のトレンド
妊娠高血圧症候群に対する降圧薬の選択法
神谷 亮雄
1
,
吉田 彩
1
,
森川 守
1
1関西医科大学産科学婦人科学講座
キーワード:
HDP
,
目標血圧
,
降圧薬
Keyword:
HDP
,
目標血圧
,
降圧薬
pp.280-285
発行日 2024年4月10日
Published Date 2024/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409211171
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《妊娠高血圧症候群に対する降圧治療の開始基準》
●降圧開始基準および降圧目標についてのエビデンスは,近年集積されつつあるがまだ十分ではない.各国のガイドラインでは,非重症域での降圧薬開始が推奨される傾向にある.
●わが国における降圧開始基準は,高血圧合併妊娠であれば≧140/90mmHg,妊娠高血圧・妊娠高血圧腎症であれば≧160/110mmHg(状態によっては≧140/90mmHg),降圧目標は収縮期血圧≦110〜140mmHg,拡張期血圧≦85mmHgである.
《降圧薬の種類と選択法》
●2022年11月よりわが国でも,ニフェジピン,アムロジピン(Ca拮抗薬)が全妊娠期間を通して使用可能となった.
●重症高血圧に対する降圧薬選択では迅速性と調節性が重要であり,ニカルジピン持続静脈注射が推奨される.
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