症例
腹腔鏡下術後のドロペリドール持続投与により急性ジストニアをきたした1症例
溝上 友美
1
,
生田 明子
1
,
奥 楓
1
,
白神 裕士
1
,
吉村 智雄
1
,
椹木 晋
1
,
山﨑 悦子
2
,
松本 早苗
2
,
神崎 秀陽
1
,
北 正人
1
,
岡田 英孝
1
1関西医科大学産科学婦人科学講座
2関西医科大学香里病院麻酔科
pp.313-317
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210899
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▶要旨
術後悪心・嘔吐(postoperative nausea and vomiting : PONV)は術後のQOLや満足度を低下させる.特に高リスク群では積極的なPONVの予防を行うことが重要である.PONVを予防する目的で使用したドロペリドールが原因と考えられる若年患者での急性ジストニアを経験したので報告する.症例は17歳女性.腹腔鏡下左卵巣内膜症性囊胞摘出術を実施し,術後鎮痛薬としてフェンタニルを持続投与した.PONV予防のために併用したドロペリドールによる急性ジストニアと考えられる両側眼球上転を発症したため,ドロペリドールの投与を中止し,抗不安薬と抗コリン薬の投与により症状は消失した.ドロペリドールによる急性ジストニアは若年者に好発し,早期対応のための知識と十分な注意が必要である.
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