増刊号 最新の不妊診療がわかる!―生殖補助医療を中心とした新たな治療体系
第4章 生殖補助医療時代の一般不妊診療―検査や治療の意義と限界
卵管疎通性検査と治療
卵管疎通性検査の実施法と評価法
佐藤 健二
1
1東海大学医学部専門診療学系産婦人科
pp.196-199
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210669
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
▶子宮卵管造影検査(HSG)において,油性造影剤は水溶性造影剤よりHSG後の妊娠率向上効果が高いと報告されている.一方,油性造影剤は吸収されるまでに時間がかかるため,母児の甲状腺機能への影響は水溶性造影剤より大きいことに注意を要する.
▶HSG後の合併症では,造影剤の血管内流入が最も頻度が高いと報告されているが,肺塞栓や死亡に至るようなケースは稀である.
▶超音波下卵管通水検査はX線撮影設備が不要であり,導入しやすい.超音波診断用造影剤の製造中止があり,生理食塩水にエアバブルを混ぜたものを使用することで代用している施設が多い.HSGと同程度の精度であり,十分なスクリーニング検査が可能である.3Dやドプラの使用で精度を向上できる可能性がある.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.