増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために
不妊・不育
Q11 妊娠しやすそうな卵子をどうやって見分けるのですか?
中岡 義晴
1
1IVFなんばクリニック
pp.206-207
発行日 2021年4月20日
Published Date 2021/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210346
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A11
体外受精では,さまざまの大きさに発育した卵胞から卵子を取り出します.そのために,成熟した卵子だけでなく,未熟な卵子も認められます.精子と受精することができる卵子は,成熟しているものに限られます.成熟した卵子とは,私たちの体を作っている細胞(体細胞)の染色体数が半分に減っている卵子です.卵子の染色体が半数に減る減数分裂がうまくいっている成熟卵は,卵子の周りに極体という小さな細胞が存在しています.顕微授精を行う場合には,卵子(透明帯)の周りの細胞(卵丘細胞)を取り除き,極体のある成熟卵に顕微授精を行うことができます.一方で,一般体外受精の場合には,卵丘細胞を取り除くことで受精率が低下するために,採卵日に成熟卵の確認はできません.卵丘細胞の多さや膨潤化の状態などが大まかな成熟卵の目安になり,翌日の受精確認時に成熟卵の確認も行うことになります.
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