今月の臨床 妊娠・分娩時の薬物治療―最新の使い方は? 留意点は?
フェインジェクト®―静注鉄製剤の基本投与法と使いどころ
藤井 知行
1,2
1山王病院
2国際医療福祉大学大学院
pp.238-244
発行日 2021年3月10日
Published Date 2021/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210255
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●生体内での鉄の吸収および排泄はわずかであり,外部環境に影響されることなく体内でリサイクルして使用されている.このように,鉄代謝は生体内で半閉鎖的回路を構築している.
●鉄欠乏性貧血から回復する時は,初めにヘモグロビンが上昇して,最後にフェリチンが上昇する.フェリチンをしっかり増加させるまで治療することが重要である.
●フェインジェクト®は,高用量の鉄を一度に投与できるため,注射回数を減らし,患者の負担を軽減するメリットがある.一方,過量投与による鉄過剰を起こす可能性があるため,総投与量,投与回数に注意する.
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