今月の臨床 妊娠・分娩時の薬物治療―最新の使い方は? 留意点は?
経口血糖降下薬―妊娠中にはどのように用いればよいのか
成瀬 勝彦
1
,
上嶋 昌和
2,3
1奈良県立医科大学産婦人科学教室
2奈良県総合医療センター糖尿病・内分泌内科
3奈良県立医科大学
pp.232-237
発行日 2021年3月10日
Published Date 2021/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210254
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●妊娠中の耐糖能異常に対する薬物療法はインスリン注射薬がほぼ唯一の選択肢であり,経口血糖降下薬の使用経験は乏しく,薬物動態の面からも推奨されない.
●内服薬により児に明らかな形態異常が起こった報告はなく,やむを得ない場合には選択されるほか,内服中に妊娠が分かった場合もあわてて中止することは望ましくない.
●後進国などでは選択肢の一つとされることもあり,新たな薬剤の可否も含めて妊娠中の使用に関するエビデンスの蓄積が望まれる.
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