今月の臨床 エコチル調査から見えてきた周産期の新たなリスク要因
産科合併症
妊娠中および分娩後の静脈血栓塞栓症のリスク因子は?
松本 洋介
1
,
榎原 毅
2
,
上島 通浩
2
,
杉浦 真弓
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科産科婦人科学
2名古屋市立大学大学院医学研究科環境労働衛生学
pp.487-491
発行日 2020年5月10日
Published Date 2020/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210064
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●妊娠中および分娩後の静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism : VTE)は致命的となりうる疾患であり,妊娠初期にリスク分類を行い,適切な予防措置を取ることが重要である.
●エコチル調査から,わが国の妊娠中および分娩後のVTEの発症頻度は7.5/10,000妊娠であり,子宮内膜症と不育症がVTEの新しい独立したリスク因子として同定された.
●子宮内膜症や不育症患者が妊娠した際に,年齢,肥満,喫煙など他のリスク因子を多数もつ場合は予防的抗凝固療法を考慮する必要がある.
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