今月の臨床 産科危機的出血のベストマネジメント―知っておくべき最新の対応策
緊急対処法
フィブリノゲン療法の実際と現状
関 博之
1
1埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター
pp.840-845
発行日 2019年9月10日
Published Date 2019/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209804
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●フィブリノゲンは産科危機的出血,特に消費性凝固障害における母児双方の病態評価に有用なパラメータであると同時に,補充すべき最も重要な凝固因子である.
●産科危機的出血は凝固因子の枯渇が起こりやすい.他の凝固因子は血中濃度が20〜25%以下にならないと凝固障害を起こさないが,フィブリノゲンは40〜50%以下になると凝固障害を起こす.
●出血の原因疾患が消費性凝固障害の場合は,新鮮凍結血漿(FFP)のみで凝固因子を補充しようとすると,肺水腫などの合併症を起こしやすい.そのような場合は,フィブリノゲン製剤が有効である.
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