原著
腹腔鏡下子宮筋腫核出術の安全性を担保するための最適な筋腫個数に関する検討
森嶋 かほる
1
,
原口 広史
1
,
高村 将司
1
,
金谷 真由子
1
,
平野 茉来
1
,
秋山 育美
1
,
能瀬 さやか
1
,
原田 美由紀
1
,
平田 哲也
1
,
廣田 泰
1
,
甲賀 かをり
1
,
平池 修
1
,
大須賀 穣
1
,
藤井 知行
1
1東京大学医学部附属病院女性外科
pp.701-704
発行日 2019年7月10日
Published Date 2019/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209775
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▶要約
子宮温存希望のある患者に対する腹腔鏡下子宮筋腫核出術(LM)は,広く行われている.低侵襲であり,術後回復も早い一方で,技術的に比較的難度の高い手術であることから,十分注意する必要がある.今回当院で2012年から2016年までに施行したLM 239症例について,後方視的に安全性に対する検討を行った.術前にGnRHアゴニストを使用し,投与前後でMRIを施行し悪性を否定した症例に対し,インフォームド・コンセントを得たうえでモルセレーターを使用した.術後病理診断で悪性腫瘍を認めた症例はなかった.出血量と手術時間,手術時間と筋腫個数で正の相関が認められたが,出血量と筋腫個数について相関は認められなかった.また,筋腫が3個以下の164例では,4個以上の74例に比べ,出血量,手術時間ともに有意に少なかった.以上より,今回の検討ではLMにおいて,筋腫の個数は3個以下が推奨されると考える.
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