今月の臨床 妊婦の腫瘍性疾患の管理―見つけたらどう対応するか
良性疾患
妊婦に良性卵巣腫瘍手術を行う場合の留意点
倉品 隆平
1
,
可世木 華子
1
,
明樂 重夫
1
1日本医科大学産婦人科
pp.442-448
発行日 2019年5月10日
Published Date 2019/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209721
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●妊娠中の良性卵巣腫瘍の手術においては,ルテイン囊胞を除き,6cmを超えたら手術を考慮する.手術時期は妊娠12週以降が望ましい.
●腹腔鏡下手術は開腹手術と比較して低侵襲であり,周術期の合併症や出血量,入院期間も短縮され,周産期予後についても腹腔鏡手術は開腹手術と比較して遜色ない.
●腹腔鏡下手術においては気腹,吊り上げのいずれの方法でも選択可能である.ただし,気腹においては気腹圧を12mmHgまでとし,影響を最小限にするよう留意する.
●増大した子宮により視野確保が困難になったり,マニピュレータを使用できないため,トロッカー穿刺位置の決定や術中体位などは,症例によって事前に十分な戦略を立てて臨むことが肝要である.
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