症例
初回治療17年後に悪性転化した卵巣粘液性境界悪性腫瘍の1例
赤澤 宗俊
1
,
横山 幹文
1
,
瓦林 靖広
1
1松山赤十字病院産婦人科
pp.773-777
発行日 2016年8月10日
Published Date 2016/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208845
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▶要約
卵巣境界悪性腫瘍で17年後に悪性転化をした症例を経験したので報告する.症例は61歳,3経妊3経産.19年前に子宮内膜症に対して,単純子宮全摘術が施行されていた.17年前に卵巣粘液性囊胞性腫瘍,境界悪性(粘液性境界悪性腫瘍)に対して両側付属器切除術,大網部分切除術,虫垂切除術を施行され,術後化学療法(CAP療法)を施行された.その後,10年間当科外来で経過観察を行った.治療後17年目に倦怠感および食欲不振が出現し,画像検索にて骨盤内右側に手拳大の腫瘍を認めた.卵巣境界悪性腫瘍再発と術前診断し腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は表面不整で手拳大に腫大し,周囲腸間膜と癒着し右尿管を巻き込んでいた.病理組織検査では腺癌の結果であり,晩期再発・悪性転化と診断した.術後追加療法としてTC療法6コースを施行し,現在外来通院中である.卵巣境界悪性腫瘍の悪性転化について文献的に考察し報告する.
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