今月の臨床 婦人科腹腔鏡手術の進歩と“落とし穴”
腹腔鏡手術機器の進化─特に最近のシーリングデバイスについて
佛原 悠介
1
,
北 正人
1
,
岡田 英孝
1
1関西医科大学産科学婦人科学講座
pp.1018-1022
発行日 2015年11月10日
Published Date 2015/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208544
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●腹腔鏡手術ではさまざまなシーリングデバイスを使用することが可能となっている.シーリング性能が向上しているだけでなく,操作性の改良,熱損傷・過凝固・誤作動などの低減などの面でも進歩しており,安全性向上や時間短縮に大変有用である.
●出血・臓器損傷などの合併症を最小限にするためには,各機種の原理・特徴を理解し,操作・保守点検に精通し,実施する手術にあわせた器具を選ぶべきである.
●現在のシーリングデバイスは5 mm径のトロッカーから挿入でき7 mm径までの脈管をシーリングできるため,一般的な婦人科手術における脈管は基本的にすべて結紮なしで切断可能であるが,圧着組織の離解・熱損傷などには注意が必要である.また,従来の縫合結紮・クリッピングなどの手技もトラブルシューティングには必要である.
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