原著
当院におけるAtypical Glandular Cells(AGC)手術症例の病理組織学的検討
池上 淳
1
,
坂本 育子
1
,
沼田 雅裕
1
,
大内 秀高
1
,
寺本 勝寛
1
1山梨県立中央病院婦人科
pp.1003-1006
発行日 2015年10月10日
Published Date 2015/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208539
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要約
2008年から6年間に当科で施行した子宮頸部細胞診で,異型腺細胞atypical glandular cells(AGC)判定例のなかで,手術症例における病理組織学的所見を後方視野的に検討し,その取扱いについて考察した.子宮頸部細胞診症例は16,803例で,AGCと判定された症例は43例(0.26%)であった.年齢中央値は49歳(30〜73歳)であった.手術(円錐切除もしくは子宮摘出)は27例(AGC-NOS 23例,AGC-FN 4例)に施行され,22例(AGC-NOS 18例,AGC-FN 4例)に高度病変を認めた.内訳は子宮体癌3例,卵巣癌2例,上皮内腺癌4例,分葉状頸管腺過形成3例,上皮内癌4例,高度異形成7例であった.高度病変のうち,11例(50%)は扁平上皮病変であった.AGC判定例では,高率に高度病変が存在すること,子宮頸部だけでなく子宮内膜や付属器由来の腫瘍も存在することを念頭におき,精査,治療を進める必要がある.
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