研究
当院における膜性腎症の病理学的特徴の検討
木下 香代子
1
,
越川 佳樹
,
田口 慎也
,
大山 翔也
,
水谷 佳子
,
宮地 博子
,
朝田 啓明
1岡崎市民病院 腎臓内科
キーワード:
IgG
,
蛍光抗体法
,
電子顕微鏡検査法
,
糸球体腎炎-膜性
,
Phospholipase A2 Receptors
Keyword:
Glomerulonephritis, Membranous
,
Microscopy, Electron
,
Immunoglobulin G
,
Fluorescent Antibody Technique
,
Receptors, Phospholipase A2
pp.495-498
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00714.2019230876
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特発性膜性腎症(iMN)の原因の一つとして近年、内因性抗原であるM型ホスホリパーゼA2受容体(PLA2R)に対するIgG4型抗体(抗PLA2R抗体)が存在することが明らかにされ、海外の報告ではiMN例の約7割で同抗体の存在が確認されているが、わが国では最終的な報告には至っていない。また、欧州では同抗体が陰性の症例において、新たな抗原としてスロンボスポンジン1型ドメイン含有7A(THSD7A)が報告された。今回、当院で2009年6月~2016年1月にiMNと診断した患者21例について抗PLA2R抗体染色と抗THSD7A抗体染色を行った。結果、抗PLA2R抗体が陽性を示したのは13例(62%)で、抗THSD7A抗体の陽性例はなかった。抗PLA2R抗体陽性群と陰性群とで患者背景(性別・年齢・尿蛋白・Cre値・IgG値・ネフローゼ症候群例の割合)の比較を行ったところ、いずれの比較項目にも有意な群間差は認められなかった。
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