連載 Obstetric News
子宮頸管長全例スクリーニングは有用か?─米国産婦人科学会年次総会2015年からの報告③
武久 徹
1
1武久レディースクリニック
pp.900-903
発行日 2015年9月10日
Published Date 2015/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208520
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Universal cervical screening to identify wome with a short cervix for progesterone treatment to reduce preterm labor,The Edith Louise Potter Memorial Lecture“Universal Cervical Screening”-Debate. 2015年5月4日
Romeroの見解(まとめ)
全例子宮頸管長スクリーニングはデトロイトとパース(西オーストラリア)およびその周辺地区で始まった.Romeroは,子宮頸管長スクリーニングの早産予防効果は,他の医学的スクリーニング試験に十分匹敵すると語り,Papテストでは1,140人で1例の子宮頸がんによる死亡,マンモグラフィーでは50歳以上の女性540人で1例の乳がんによる死亡,40〜49歳の女性3,000人で1例の死亡が予防できるのに比較し,357人の妊婦のスクリーニングにより1例の早産が予防されたというデータを紹介した.
子宮頸管短縮がある妊婦を診断した際,最も有効な治療はプロゲステロン療法である.早産リスクを45%減少でき,判明している大きな副効果がない.「貴方,貴方の妻,貴方の姉妹,貴方の娘が,妊娠中期で子宮頸管短縮があった場合,貴方または貴方の家族は,プロゲステロン療法を受けたいか?」とRomeroは語った.
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