連載 Q&A
羊水混濁がある場合の分娩介入のタイミング(1)
武久 徹
1
1武久産婦人科医院
pp.1073-1076
発行日 1996年8月10日
Published Date 1996/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902634
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Q 羊水混濁がある場合の分娩介入のタイミングをお教え下さい(千葉AK夫).
A 羊水混濁があるだけでfetal distressと考えた時代がありました.Von Winckelは頻脈(>160bpm).徐脈(<100bpm),不規則な胎児心拍数(FHR),羊水混濁,胎動の大きな変化をfetal distressの定義としました(Lehr—buch der Geburtshilfe, Weisbaden, p634, 1893).FHRモニタリングや頭皮血採取によるpH測定が導入されるまではVon Winckelの考えは否定されませんでした.現在では羊水混濁のみではfetal distressと考えないのはいうまでもありませんが,羊水混濁例では,ときに胎便吸引症候群(meconium aspiration syndrome:MAS)を合併し死亡原因となるため,羊水混濁は要注意の所見です.
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