特集 話題の感染症
発がんウイルスの検出とその対応
横田 治重
1
,
吉川 裕之
1
,
川名 尚
2
Harushige Yokota
1
,
Hiroyuki Yoshikawa
1
,
Takashi Kawana
2
1東京大学医学部産科婦人科学教室
2東京大学医学部附属病院分院産婦人科
pp.895-899
発行日 1988年10月10日
Published Date 1988/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207872
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ヒトにおけるウイルス感染と悪性腫瘍との関連の例としては,以前よりEBウイルスとリンパ腫等が知られ,HBウイルスと肝癌,単純ヘルペスウイルス2型と子宮頸癌等についても検討がなされてきたが,近年産婦人科領域で注目を集めているのは,ヒトパピローマウイルス(Human Papillomavirus:HPV)と子宮頸癌発がんの関係である。子宮頸癌発がんに関わる因子のなかに性行為によって伝達されるものが存在するであろうことは,疫学的事実によって予測されていたが,現在もっとも有力視されているものがHPVなのである。本稿では,発がん因子としてのHPVの女性性器よりの検出法と,その検出頻度について述べ,更に今後の問題として無症状婦人から本ウィルスが検出された場合の対応についてもふれたい。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.