原著
卵巣癌試験開腹症例に対するsecond-look手術
関谷 宗英
1
,
岩沢 博司
1
,
大崎 達也
1
,
長田 久夫
1
,
小堀 恒雄
1
,
高見沢 裕吉
1
Souei Sekiya
1
1千葉大学医学部産科婦人科学教室
pp.605-610
発行日 1985年7月10日
Published Date 1985/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207220
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卵巣癌では初回手術時進行期癌が多く,不完全手術に終わる場合が多い。残存腫瘤に対して従来から放射線療法,最近では積極的な化学療法が行われるが,それぞれの効果にも限界があり,予後を著しく改善するに至っていない。可能な限り腫瘤を摘除する手術療法(debulking)が,卵巣癌の予後を決定する最も重要な因子であるので,現在不完全手術症例に対し再開腹による可及的な腫瘤摘除(second-look手術)が試みられている。またsecond-look手術は直視下における残存腫瘤の有無,治療打ち切りの判定,術後治療の効果,再発の診断など診断上の意義をも兼ねている。今回試験開腹症例の予後改善を目的としたsecond-look手術の意義について検討したが,初回手術後の化学療法あるいは放射線療法併用による有効症例で,second-look手術時触知できる腫瘤の残存が無い症例では,長期生存も期待できることが判明した。
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