ヒューマンバイオロジー--臨床への展開 経口避妊
Topics
ピルとプロラクチノーマ
青野 敏博
1
Toshihiro Aono
1
1大阪大学医学部産婦人科教室
pp.36-38
発行日 1985年1月10日
Published Date 1985/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207111
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
近年,血中プロラクチン測定の普及と神経放射線学的検査法の普及により,無月経婦人中に高プロラクチン血症やプロラクチノーマの症例が数多く発見されるようになってきた。エストロゲン剤をヒトに投与すると,血中プロラクチンのレベルが上昇し,実験動物では大量長期のエストロゲン投与によりプロラクチノーマを作り出すことができる1)。エストロゲンを含むピルの使用量も近年増加しており,アメリカやカナダでは,プロラクチノーマ症例の増加にはピルの使用が関与しているのではないかとの議論も出ている。
本稿ではピルの服用とプロラクチノーマの発症の関係について賛否両論を紹介し,現在における公平な判断を示したい。
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.