グラフ 胎児奇形の映像診断
尿道閉鎖
山田 基博
1
,
青木 嶺夫
1
Motohiro Yamada
1
,
Mineo Aoki
1
1大阪大学医学部産科婦人科教室
pp.740-742
発行日 1984年10月10日
Published Date 1984/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207060
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診断法について
尿路系には娩出後に形態異常を発見する頻度が比較的高いので,胎児期より充分な検索を要する。一般的に予後診断上,羊水量は重要な意味をもつので,胎児を超音波断層法で診察する際はまず羊水量に注意する。羊水過少症がある時は予後不良のことが多く,その原因としてはまず尿路系の異常を疑うべきである。超音波的には尿道閉塞とは拡張した膀胱と両側性の水尿管症と水腎症を認める状態のことである。妊娠中・後期では多量の尿が貯留した腎盂を指摘するのは容易であるが,拡張した尿管は彎曲して必ずしも認識は容易ではない。合併奇形の中では特に,羊水量を増すような上部消化管や中枢神経系などの異常に注意を要する。見落せば予後診断を誤まる。他に,骨格系,心循環器系,および腸管回旋の異常の合併する頻度が高いとされている1)。
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