明日への展開 ADVANCED TECHNOLOGY
グラフ
周産期診療機器の進歩
久保 隆彦
1
,
橋本 雅
1
,
相良 祐輔
1
,
武田 佳彦
1
Takahiko Kubo
1
1高知医科大学産婦人科教室
pp.211-214
発行日 1984年4月10日
Published Date 1984/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206960
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
近年のME機器の進歩には目をみはるものがある。周産期領域においても例外ではない。妊婦においては,超音波による,胎児・付属器の画像診断,胎児心拍・胎動測定から児の成熟,胎児仮死の診断,出生直後の新生児では,頭蓋内所見を容易に安全に得られるようになった。一方,テレメーターシステムの導入は,情報の中央集中化を可能とし,安全性の向上と共に,患者を機器より解放した。さらに,パソコン・ミニコンの導入は,情報の保存,再構築,自動診断,病態分析を可能とした。現在,周産期センターで利用できるME機器を図1に示し,以下説明を加える。
超音波装置は,X線に比し被爆が少ないため,周産期では有用である。最近話題となっている超音波装置に,オクトソン(写真1),パルスドップラー(写真2)がある。オクトソンは,8個の超音波プローブを利用し,コンピューターにより再構成するもので,その画像はCT様である。胎児の全身像を得られるだけでなく,子宮・羊水・胎盤の体積計算も可能である。患者は,機器上で,腹臥位をとるだけでよく,検査による患者への負担は少ない。
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.