臨床メモ
子宮筋腫と催奇形性
佐藤 直樹
1
1峯クリニック
pp.896
発行日 1980年12月10日
Published Date 1980/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206351
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新生児先天奇形の発生には,いろいろな因子が多彩に関与している。
Thalidamideをはじめ多種の催奇形性薬剤が報告され,また性ステロイド剤も催奇形性があり,Embryo—fetal exogeneous sex steroid expo—sure syndromeと呼ばれている。そのほか風疹症候群児をはじめ,感染症の催奇形性が知られている。他方,催奇性要因として,母体年齢,経産回数,地域集積性などが関与している。このように,奇形発生の原因は,multifactorialであり,それぞれの因果関係を明らかにすることは困難である。さらに最近は,子宮筋腫合併妊娠のように子宮腔に形態異常があると,胎芽あるいは胎児の発育を障害し,このような異常環境のもとでは外表奇形が多発すると報告されている。その極端な例は卵管妊娠である。
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