内視鏡メモ
フランスが開発したcontact hysteroscope (1)
柴田 直秀
1
Naohide Shibata
1
1東邦大学医学部産婦人科
pp.394
発行日 1980年5月10日
Published Date 1980/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206253
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数年前,O社から「従来と全く違う発想の内視鏡のパテントを買わぬかという話がフランスからきたのですが」と相談を受けた。それは後日(1978年3月第9回ドイツ内視鏡学会終了後)かねてよりCO2式hysteroscopyではその名も高いハンブルグのDr.Lindemannのいる病院でDr.Barbot (仏)から紹介された現物と同型のものであった。
部屋の明るさだけで子宮内がのぞけるという話に,先に日本で相談を受けた際,実験ずみであった著者にはついにフランスが製品化したかと感慨深かったが,同席のLindemannやAAGL (アメリカ内視鏡学会)のJ.Phillips会長,日医大の大川教授らは本器とはそのときが初めての対面のようであった。Dr.Barbotが持参したカタログには単に子宮鏡のみならず,腹腔,膀胱など内視鏡の全分野に利用可能なばかりか,工業用にまで応用されていることが紹介されていた。J.Phillips会長は本器に強く魅かれたらしく,彼の推奨もあってか,昨年の東京FIGOではDr.Baggish (米)が子宮鏡・胎児鏡としての本器の成果を美しいカラー写真で展示し,J.Phillipsは会場で先に述べたハンブルグでの本器との出会いのいきさつを語り,Baggishの仕事の説明の補足としていた。
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