症例
閉鎖孔ヘルニアの臨床像を呈した巨大後腹膜腫瘍の1例
中村 幸夫
1
,
河村 豊
1
,
菅 三知雄
1
,
佐藤 重美
1
Yukio Nakamura
1
1弘前大学医学部産科婦人科学教室
pp.309-312
発行日 1980年4月10日
Published Date 1980/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206236
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後腹膜腫瘍は,大動脈・腎臓・尿管・副腎・膵臓・女性性器などの後腹膜諸臓器に関係なく,横隔膜より骨盤無名線にいたる間の脊椎両側に発生する腫瘍と定義され,比較的まれな疾患である。しかしながら,その発生部位の解剖学的関係から症状発現の時期が遅く,近接臓器に対する圧迫症状が現われてはじめて気づくことなどのために,臨床診断面においても治療面においても特異な問題を含んでいる。著者らは,これも比較的まれとされている閉鎖孔ヘルニアを疑い開腹したところ,その内容が後腹膜腫瘍の1部であった1例を経験したので報告する。
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