実地臨床手技のエッセンス 感染症管理へのアドバイス
産婦人科と院内感染—とくに産科病棟における実態と対策
藤原 篤
1
Atsushi Fujiwara
1
1広島大学医学部産科婦人科学教室
pp.449-454
発行日 1979年6月10日
Published Date 1979/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206054
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最近では環境の汚染状況は複雑多様化しており,本来清潔であるべき病院内も決して例外ではなくなっている。とくに感染防御能の未発達な新生児を取扱う産科病棟では,いつ,集団的な院内感染に発展するかわからない多くの危険を有しているのが現状である。
院内感染の起炎菌としては,表1のごとく,伝染力の強いものや薬剤耐性菌などがあるが,最近では普通の状態では感染能力がないが,患者の状態が悪化したときなどに感染力を発揮するopportu—nistic infectionが注目されており,とくに重症新生児や極小未熟児を取り扱うNICUではきわめて重要な問題となっている。
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