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分娩前胎児心拍検査とNonstress test
広井 正彦
1
1山形大学医学部産婦人科学
pp.247
発行日 1979年4月10日
Published Date 1979/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206020
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胎児のhigh riskの状態をみいだす方法として,尿中estriolの測定がルーチン化されてきているが,時時刻々変化する胎児の状況を適切に表現することはできない。そこで胎児の心拍数の変化を連続的に観察する分娩前胎児心拍検査(antepartum fetal heart rate testing,AFHRT)が重視されてきている。
当初は腹壁より胎児の心拍数をとらえ,母体の運動負荷により惹起こされる胎児心拍の変化を観察したが1),その後はオキシトシン負荷試験(oxytocin challenge test,OCT)により,人工的に子宮収縮をきたした時に胎児心拍数の変化を観察する方法が広く用いられるようになった2)。最近では何らの負荷を加えずに,妊娠末期の心拍数の変化を観察するnon-stress test (NST)が,注目されるようになってきた3)。これは自然の子宮収縮や胎児の運動に関連して胎児の心拍数の変化をみるもので,5bpm以下のsilent patternまたはsmoothの心拍数がむしろ危険信号であるとされている。
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