特集 手術とFunctional Anatomy
Ⅶ.小骨盤内手術と臓器機能の温存
広靱帯内腫瘤の摘出と周辺臓器への配慮
木川 源則
1
Tomonori Kigawa
1
1東京大学医学部産科婦人科学教室
pp.922-924
発行日 1978年11月10日
Published Date 1978/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205954
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前後2葉からなる広靱帯を開放すると,それは上部では子宮円索,卵管および卵巣固有靱帯を包み,下方に向かって広がり,下部は基靱帯を主体とする子宮労結合組織に,そして上部側縁は卵巣提索に連なることがわかる。子宮旁結合組織は側方は骨盤壁に達し,この中を骨盤内臓器に出入する血管,神経そして尿管が走っている。
広靱帯内腫瘤としては卵巣上体嚢腫,卵巣腫瘍,子宮あるいは円索の筋腫,子宮外妊娠などがある。腫瘤はある大きさに達すると子宮労結合組織を占居するから,その摘出にさいしては血管や尿管に対する配慮が必要となる。
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