Japanese
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特集 胃・十二指腸潰瘍の手術
周辺臓器に癒着している場合どうするか
Management of adhesions in gastroduodenal ulcer
浜口 栄祐
1
,
石塚 慶次郎
1
Eisuke HAMAGUCHI
1
1東京医科歯科大学第2外科
pp.1078-1082
発行日 1967年8月20日
Published Date 1967/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204372
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はじめに
胃・十二指腸潰瘍に対する胃切除のさいに潰瘍病変部に一致した漿膜面に白色調の瘢痕があることが多く,さらにその部が周辺臓器との間にいろいろの程度の癒着が認められることもまれでない.手術にさいしこれらの胃周囲の癒着は剪刀で鋭的に,または指頭で鈍的に容易に剥離し得るので手術進行上,とくに困難を感じることは少ない.しかし癒着剥離術は術者の技倆によるところが多く,時には広汎な癒着のため解剖学的な位置関係が変り,癒着剥離中に思わぬ副損傷を招いたり,剥離が不十分なため胃腸管の断端閉鎖が不完全となり,縫合不全の原因ともなる.
癒着性腸閉塞症の時の腸癒着剥離も同様であるがかかる場合には必要にして十分な癒着剥離こそこの手術のヤマ場であつて,手術を成功に導くポイントである.
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