特集 手術とFunctional Anatomy
Ⅰ.総論
Functional surgeryの視点にたつ産婦人科手術
坂元 正一
1
Shoichi Sakamoto
1
1東京大学医学部産科婦人科学教室
pp.784-785
発行日 1978年11月10日
Published Date 1978/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205913
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手術における解剖学的な知識は,比喩的にいえば,平面に描かれた地図,それも山岳地図のようなもので,ベテランほど精密なものを持ち,地形を読みとれるということになる。
自然を害することなく,自分自身も,後続する者も安全に道程を乗りきるのが経験であり,技術であり,心配りである。もちろんハーケンをぶちこむこともあれば,少々の天候は乗りきらねばならぬ状況があっても,雪崩のもとをつくるようでは,自然のもつ機能を無視したといわれても仕方があるまい。生きた地図を頭の中にも,身体の中にももっていなかったということである。
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