新しい視点をさぐる 性差
副甲状腺機能の性差
藤田 拓男
1
Takuo Fujita
1
1和歌山医科大学高年病内科
pp.103-105
発行日 1978年2月10日
Published Date 1978/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205772
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
副甲状腺ホルモンは,カルシウム調節ホルモンのうち最も重要な役割を果たしている。すなわち,カルチトニン,活性型ビタミンDとともに,血清カルシウムを極めて正確に一定のレベルに調節し,骨の形成と吸収を調節して骨の形態と構造を維持する。また腎からのカルシウムの排泄と,腸管からのカルシウムの吸収もカルシウム調節ホルモンのコントロールの下にある。
副甲状腺ホルモンおよびその他のカルシウム調節ホルモンは性ホルモンではなく,その分泌や作用には明確な性差はみとめられないが,これらのホルモンの異常をその重要な原因とする代謝性骨疾患,例えば骨粗鬆症には著明な性差があり,女子では男子の数倍多く見られる。このような骨代謝の性差は副甲状腺ホルモンの性差の問題を明らかにするうえに重要な手がかりとなるものと思われる。
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.