トピックス
思春期産科学における母児への障害
広井 正彦
1
1山形大学産科婦人科学
pp.1048
発行日 1976年12月10日
Published Date 1976/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205539
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最近わが国でも性に対するモラルの低下から未婚者の妊娠や10歳代,とくに中学,高校生の妊娠・分娩が大きな社会問題となってきている。
しかし,社会教育的な問題とは異なって,医学的にはとくに若年者の妊娠分娩が本人および生まれる児に悪影響を与えないかという観点から論じられなければならない.この点について従来より多くの報告がみられ,代表的な見解としてIsreal,Woutersz1)のごとく,「10歳代の産科学は一般産科学よりも大きな挑戦はない」として,その危険性を否定しているものと,Aznar,Bennett2)にみられるごとく,「母親と児に危険が増大する。だれもが10歳代初期の妊娠は心理学的にも,社会経済的にも,母体や胎児の観点からみても望ましいと考えていない」と強調しているものと,10歳代妊娠については両極端の意見が対立している現況である。
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