特集 産婦人科内分泌異常症候群
Ⅱ.臓器別にみた症候群
B.視床下部下垂体性異常に関するもの
Fröhlich症候群とLaurence-Moon-Biedle症候群
楠田 雅彦
1
,
片桐 英彦
1
1九州大学医学部産科婦人科学教室
pp.873-877
発行日 1976年11月10日
Published Date 1976/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205502
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Ⅰ.Fröhlich症候群(肥胖性性器発育不全症)
〔定義〕女性型の肥胖と性器発育不全の2症状を示す1症型として,Frohlichが1901年に報告して以来,この症状を有するものをFrohlich症候群というが,またはBabinski-Frohlich症候群と呼ばれることもある。
〔病因〕多くは,腫瘍まれに結核などの炎症や外傷などによる間脳下垂体系の器質的あるいは機能的障害により起こるものであり,視床下部原発病変の場合には,まず,視床下部前部の障害により飽食感覚が低下して肥胖が起こり,次に視床下部中後部の性中枢の機能低下により,Gn-RF分泌が障害され二次的に下垂体からのGonadotropin分泌が低下し,三次的に性腺機能の低下が起こるものと考えられている。下垂体に病変が原発する時は性腺機能は早期に侵されるが,病変が視床下部におよんで後に肥胖が出現するものと考えられる。
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