原著
妊娠に合併した原発性卵巣癌とその治療方法について
北尾 学
1
,
長谷川 清
1
,
椿 修
1
,
松永 功
1
Manabu Kitao
1
1鳥取大学医学部産科婦人科学教室
pp.55-59
発行日 1976年1月10日
Published Date 1976/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205353
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卵巣は人体臓器中で,もつとも多種多様の変化に富む腫瘍を発生するばかりでなく,この卵巣腫瘍は臨床的にも,きわめて複雑な症状の経過を示す場合が多いが,充実性卵巣腫瘍に妊娠が合併することは比較的まれで,その腫瘍もほとんど良性群か,または中間群である。したがつて卵巣癌との合併率は低く,またまれである。
今回,われわれは妊娠に合併した原発性卵巣癌の2症例を経験したので,卵巣癌の発育に対して妊娠,分娩および産褥がどのような影響を及ぼすかについて,また治療方法ならびに管理についても症例を通じて,文献的考察を行ない自験例を報告する。
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