指標
子宮頸部の前癌病変をめぐつて
栗原 操寿
1
Soju Kurihara
1
1慶応義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.803-810
発行日 1975年11月10日
Published Date 1975/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205247
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I.前癌病変とは
前癌病変とは,文字どおり癌に前駆する良性病変を意味する。別の言い方をすれば,仲間からかなり高い頻度で癌の発生をみるが,しかし性格的にはまだ癌への必然性を備えていない。したがつて,あるものは癌に移行するかと思えば,あるものは可逆性を示してより安定した良性上皮に復帰する。
子宮頸癌の好発部位として知られる扁平円柱境界Squamo columnar junction (scj)には,実に多彩な病変が出没するが,これらのなかで癌化過程にかかわり合う病変として病理組織学的に抽出され,注目をあびたのは上皮内癌と異形成上皮(dysplasia)の2つである。
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