小特集 産科感染症について
周産期の胎児感染—抗生物質の経胎盤移行からみた予防の問題
松田 静治
1,2
Seiji Matsuda
1,2
1順天堂大学医学部産婦人科
2江東病院
pp.629-633
発行日 1975年8月10日
Published Date 1975/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205220
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近年周産期医学への関心が急速に高まつているが,日常診療上この時期の胎児感染,新生児感染の予防ならびに治療対策は重要な問題である。周産期の母児感染も最近はグラム陰性桿菌感染症の増加で代表される感染症の変貌により従来とは趣きを異にした化学療法の役割が重視されるが,殊に分娩前,分娩経過中の児感染は疾患特有の症状が現われ難く,急速に発展し,全身感染,重篤感染を起こし易いことなど複雑な要因を抱えている。本稿では,胎児感染の成り立ちおよび周産期で主役をなす一般細菌による上行性感染(羊水感染)の実際と感染予防対策としての化学療法の役割について抗生物質の母児間移行の立場から以下述べる。
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