年間テーマ--診断から治療へ 性器形態の異常
性器形成異常を伴う症候群
佐藤 恒治
1
Tsuneharu Sato
1
1群馬大学医学部産婦人科学教室
pp.523-529
発行日 1975年7月10日
Published Date 1975/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205202
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一般の産婦人科医にとつて性器形成異常を伴う患者を診察する機会はきわめて稀れである。しかしながら本人ならびにその家族にとつては非常に重たな問題であり,患者は疾患そのものよりも形成異常のために精神的な苦悩をもつ。したがつて両親に伴われて病院を訪れない場合には医学的な指導はほとんど受けられない。このような患者を診察した医師は心理的な面をも考慮して慎重に取り扱わねばならない。
普通,このような患者に遭遇する機会は主として分娩直後の新生児期と幼児期,ならびに思春期後である。新生児,幼児期には相当な外陰の形成異常がないかぎり医師に相談しないので早期の発見は難かしい。最も多い場合は思春期後から20歳位までで原発無月経,二次性徴の発育遅延,恥毛の欠如を主訴として来院するために発見される。その後は結婚後原発不妊症として訪れる。
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