今月の臨床 婦人科内分泌療法─病態の理解と正しい診断に基づく対処・治療のポイント
思春期
9.副腎性器症候群
金澤 理一郎
1
,
細田 容子
1
,
小森 慎二
1
1兵庫医科大学産科婦人科学講座
pp.351-355
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102615
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1 概 念
副腎のコルチゾール,アルドステロン合成に関与する酵素の先天的な欠損により,それらの副腎皮質ホルモンの分泌を維持するために二次的に脳下垂体の副腎皮質刺激ホルモンの分泌が過剰になり,中間産物のアンドロゲンの分泌が過剰になることにより引き起こされる先天性副腎皮質過形成(congenital adrenal hyperplasia : CAH)と後天性の副腎腫瘍(男性化 : virilizing adrenal tumor,女性化 : feminizing adrenal tumor)によるものがある.アンドロゲン過剰とコルチゾールとアルドステロン分泌不全により引き起こされる諸症状をさし,特に性器の分化異常をきたし,女児では外性器の男性化徴候を示し,男児では性早熟を示す1).
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