年間テーマ--診断から治療へ 妊娠成立の異常
機能性不妊における内膜因子について—特に分泌期異常の成り立ちと治療へのアプローチ
細田 肇
1
,
徳倉 昭治
1
,
蜂屋 祥一
1
Hajime Hosoda
1
1東京慈恵会医科大学産人科学教室
pp.363-371
発行日 1975年5月10日
Published Date 1975/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205179
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不妊婦人における子宮内膜に発現する器質的変化が妊娠成立に大きな障害因子となることは明らかなところであり,これに関する報告は多い。これらを要約すれば,1)奇形(双角子宮など)2)炎症3)子宮手術による内腔の変形,外傷による内膜の癒着(Asherman Syndrome)4)腫瘍(ポリープ,内膜癌)となるが,これらのうち,臨床検査の段階で診断が容易につくものがある。
内膜掻爬によつて診断の確定されるものでは,炎症・ポリープがその大半であるが,炎症の内では従来,結核が比較的高い比率を占めていた。しかし,教室の統計16)では,器質的変化は最近一般に低下し,特に結核性内膜炎の著明な減少がみられている。
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