症例
紙状児と共存した先天性皮膚欠損症児について
井庭 信幸
1
,
金田 健一
1
,
江木 徹
1
,
北尾 学
1
Nobuyuki Iba
1
1鳥取大学医学部産科婦人科学教室
pp.317-321
発行日 1974年4月10日
Published Date 1974/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205029
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先天性皮膚欠損症(congenital skin defect)は新生児外表奇形のなかでも発生頻度が低いものであり,Campbell (1826)4)がはじめて報告してのち,外国ではAbt1),Dowler5),Rauschkolb12),Adair2)およびSukarochana15)らがつづいて発表しているが,わが国においてはその報告は非常に少なく,難波(1931)11)が報告してのち,わずかに23例をみるのみである10,19)。
また,双胎妊娠で,その一児は成長して生児として娩出するのに反し,他児は妊娠の途中で死亡し,そのまま水分を失つて乾燥萎縮した状態となり,生存児によつて漸次圧迫されて紙状児,あるいは圧縮児といわれる状態となるものがある。紙状児についての報告7,14)も多くはない。
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