Japanese
English
主題 聴覚・3
聴覚の中枢系の解剖
Anatomie of the central auditory system
大谷 克己
1
Katsumi Otani
1
1千葉大学医学部解剖学教室
1Department of Anatomy, Medical School, Chiba University
pp.361-371
発行日 1970年8月15日
Published Date 1970/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902866
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聴覚路は第1次ニューロンの螺旋神経節細胞に始まり,大脳皮質の聴覚領に達するまでに,通常,6次のニューロンを経る。このように多数のニューロンを必要とすることは,聴覚路の一つの特色である。しかし,この経路には短路があつて,必要に応じて4次のニューロンに節約することもできる。また,逆にこの系に発達した3種の交連のすべてを経るなら,9次のニューロンを使用せねばならない。つぎに,一つの神経束内に第2次と第3次の神経線維が混じり,さらに第4次のものも加わるなど次数の異なるものが混在していることも,特色の一つになる。その他,聴覚領に始まり蝸牛の感覚細胞に至るまでの間,つぎつぎと下位の核の活動を調整しうるような下行路が発達していることも見逃すことができない。
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