Japanese
English
実験的研究
bc系mouseのX-zone消長に関する知見
On the X-zone of adrenal cortex in mice of bc strain
小宮 清一郎
1
,
安藤 政子
1
,
鈴木 康男
1
Seiichiro Komiya
1
1持田製薬株式会社研究所
pp.293-297
発行日 1960年3月10日
Published Date 1960/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204757
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Ⅰ.緒 言
従来副腎皮質網状層は他の2層と異り無機能な層であると考えられていたが,その分泌機能を暗示する様な報告も見られる。即ち増井,田村1)はmouse網状層にfucksin可染物を認め該層の分泌機能を暗示し,Zinsser2)はこれ等をketoste—roidとprotein又はlipidの複合体であろうと,Selye3)はeosin, fucksin可染物質はhormoneの蓄積であろう,西田4)はandrogenの分泌と網状層は関係があるらしいと報じている。
Mouse網状層の消長は他の哺乳類と異り,特異的であり,Haward-MillarはこれをX-zoneと呼称した。その消長に関しては増井,田村1),Haward,Millar5),Deanesly6),7)及びWhite—head8)等多くの報告があるが何れも約10日齢にて雌雄共に髄質(medulla)を囲んで狭いX-zoneを識別し,約30日齢までは雌雄何れも発達しつづける。雄は30日齢以後退消過程をとり,38〜40日齢にてmedullaを囲んで薄い層(capsule)を形成する。雌は雄と異り更に発達を続け,妊娠分娩を行わなければ3ヵ月頃までは顕著であり,その厚さは皮質全体の2/3を越えることがある。
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