増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
画像所見〔胃〕
white zone
八木 一芳
1
1新潟県立吉田病院
キーワード:
粘膜模様の白縁
,
腺窩上皮
Keyword:
粘膜模様の白縁
,
腺窩上皮
pp.602
発行日 2017年5月24日
Published Date 2017/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200952
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定義
NBI拡大観察時,粘膜模様は白っぽい縁で認識される.その白っぽい縁がwhite zone1)2)である.血管を内包する粘膜模様の縁取りをするwhite zone(Fig. 1,黄矢印)や点状や円形に観察されるwhite zone(Fig. 1,白矢印)が存在する.前者は乳頭・顆粒状の粘膜模様で観察され,後者は小さな円形開口部などに観察される.
NBI拡大観察で真上から観察した場合,腺窩辺縁上皮に入るNBI光は血管に当たらず,散乱により白縁として観察される.この腺窩辺縁上皮がwhite zoneとして観察される(Fig. 2)2).しかし,斜めからNBI拡大観察した場合は窩間部から腺窩上皮に抜けるNBI光が血管に当たらず,散乱により白縁として観察される.すなわち,窩間部から腺窩上皮の部分がwhite zoneとなる(Fig. 3)2).このようにwhite zoneは基本的に上皮を表しているが,NBI光の方向によって表す上皮の解剖学的部位は異なる.
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