特集 産婦人科の治療その限界と展望
日常臨床上よくぶつかる頑症疾患の治療の限界
産科
妊娠時の性器腫瘤
下村 虎男
1
,
三林 隆夫
1
Torao Shimomura
1
,
Takao Mibayashi
1
1北野病院産婦人科
pp.1082-1084
発行日 1972年12月10日
Published Date 1972/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204721
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妊娠に際しては時に思わさる性器腫瘍が合併して妊娠の経過を阻害したり,分娩時に母児の危険を招くのみならず,時には母体の生命までも脅やかすことがある。私どもはそれぞれの局面に対処して全ゆる努力を傾注してはいるが,未だその去就に迷う場合も少なくない。昭和42年より昭和46年までの5年間に北野病院で取扱かつた分娩数は4,965例であるが,この間妊娠に合併した卵巣腫瘍は18例(0.36%),子宮腫瘍は33例(0.66%),子宮頚癌は2例(0.04%)である。
これらの合併症をいかに取扱うべきかについていささか意見をのべ諸賢のご参考に供したい。
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