今月の臨床 性感染症—胎児から癌まで
性感染症と産婦人科疾患
6.性器ヘルペス合併妊娠
滝沢 憲
1
1三井記念病院産婦人科
pp.46-47
発行日 2001年1月10日
Published Date 2001/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904228
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20〜30歳代妊婦のHSV I型抗体(中和反応:NT法)保有率が50%(II型抗体保有率4%)という報告や妊婦HSV抗体(補体結合反応:CF法)保有率が52%という報告から危惧されることは,多くのHSV未感染妊婦が多くのHSV感染者(配偶者,妊婦,医療従事者など)に囲まれているという事実である.幸い,分娩周産期における性器ヘルペス症管理指針の一般化に伴い,新生児ヘルペス症は漸減している.しかし,毎年本邦で発生する約100例の新生児ヘルペスのうち,母に性器ヘルペスを認めるものは25%に過ぎず,75%は無症候性ヘルペスの母や周囲からの水平感染であることが,本症の管理を複雑にしている.
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