症例
術後に肺転移による再発をみた卵巣未分化胚細胞腫症例について
北尾 学
1
,
佐々木 博史
1
,
遠藤 静男
1
,
中井 利彦
1
,
森 好造
1
,
井庭 信幸
1
Manabu Kitao
1
1烏取大学医学部産科婦人科教室
pp.1009-1014
発行日 1972年11月10日
Published Date 1972/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204709
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卵巣未分化胚細胞腫は女性の性器腫瘍のなかで,臨床的にも,また病理学的にも,種々の問題をふくみ,その分類も完全なものでないが,1930年ごろから本腫瘍に関する報告や研究がみられ,その後Pedowitzら17,18)によつて,わが国においては,1950年に樋口ら3,4)により本腫瘍が収集されて,その詳細な報告が行なわれた。つづいて,小林9),山本20)らによつて,なお一層,詳細な研究が進められ報告された。それらの研究報告の内容を要約すると,本腫瘍の発現頻度は卵巣充実性腫瘍中11%で,人種的差異を有するように思われ,また20歳代の若年者に好発する傾向がある。つぎに,未分化胚細胞群は単一型とEmbryonal Carcinoma A群の組織が混在する混合型とにわけられ,後者はきわめて悪性であるとされている。
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