特集 新生児の救急対策
仮死の蘇生術
武田 佳彦
1
,
工藤 尚文
1
Yoshihiko Takeda
1
,
Takafumi Kudo
1
1岡山大学医学部産科婦人科学教室
pp.479-483
発行日 1972年6月10日
Published Date 1972/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204616
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はじめに
新しい生命の誕生に携わる産科臨床において,もつとも頻回に産科医を困惑させる問題のひとつに新生児仮死がある。新生児仮死は直接その生命を脅かすばかりでなく,中枢神経系の障害を恒久的に残し,その個体にとつても,またそれを取り巻く社会にとつても,その存在を全く無意味とする可能性がある。
新生児仮死は胎児娩出時における呼吸循環不全を主徴とする症候群であるが,それに先行するべき分娩中のfetal distrcssについての,あるいは,それ以前の段階としてのlatent fetal distressについての病態が明らかにされつつある。
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