特集 婦人科の救急対策
婦人科疾患と大出血
中山 徹也
1
Tetsuya Nakayama
1
1昭和大学医学部産婦人科
pp.399-403
発行日 1972年5月10日
Published Date 1972/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204603
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I.大出血の原因
婦人科疾患で出血,特に性器出血を主訴とするものは多いが,救急処畳を要する大出血を起こす疾患の種類は比較的限られている。その大部分は妊娠に関係のある疾患であつて,厳密には産科疾患に属するが,妊娠初期のものは産科専門の産院を訪れる例よりもいわゆる婦人科医を訪れる場合が大部分であり,実地臨床上は広義の婦人科疾患と考えられるので本稿で取上げることとした。
表1に大出血の原因となりうる婦人科的疾患をあげた。このうら開腹手術など直ちに適切な救急的処置を要するのは内出血を主とする1)卵巣出血 2)子宮外妊娠 3)頸管妊娠及び4)進行した絨毛上皮腫などである(表2)。
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